明治から続く酒造場は、清酒「鶴城」や麦焼酎「ぶんご太郎」など長く愛される酒を造り続けた蔵。蔵のある直川は、大分県の南、宮崎県境の静かな山村で、焼酎の名前となった「むぎゅ」はこの辺りの独特の言い回しによるもの。「麦を刈りに行こう」をこちら風に言うと「むぎゅ、刈り行こうや」となります。
その「むぎゅ」の原材料となる二条大麦ニシノホシは100%この地域で作られています。直川「ほたる機械組合」の農家7軒で1年分の「むぎゅ」を賄っています。豊作であれば焼酎も豊作、麦の収穫量がそのまま「むぎゅ」の生産量へとつながります。そんな麦を一粒だって粗末に出来ません。顔見知りの育てた麦を地元の酒蔵が一生懸命うまい焼酎に仕上げるのです。
地域を一歩も出ることなく造られた、正真正銘の地酒。水ももちろん地元、祖母・傾の伏流水。石灰の岩盤層の表層を流れ来た九州屈指の清流・番匠川の源流域の水にさらに波動をあたえ、アルコールとの相性は一段と良くなりました。綺麗で、ふっくらと柔らかいこの焼酎の特長を専務の狩生孝之さんは“フレンドリー”と表現します。まず、地域の人に可愛がられ、美味しいといってもらえる焼酎づくり。あの人に、この人に飲んでもらいたいという思いが、「むぎゅ」をフレンドリーな焼酎に育てていきました。ライトな飲み心地、いつまでも飲み飽きない味。地元の評判はやがて首都圏にまで届くようになりました。
食前、食中、食後、さらにナイトキャップ(就寝前)と、どんなタイミングでも飲めるのが「むぎゅ」の楽しさ。狩生さん流の飲み方を参考にするなら、食事時はやはり割って。冬はポカポカと体が温まってくるお湯割で、夏は水割り、それも氷→水→「むぎゅ」の順番で割っていくと味がギュンとしまるとか。種類も豊富で新鮮な魚が手に入る大分では刺身にもよく合い、名物鳥天とも抜群の相性です。 |
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